12日6:00高見峠の駐車場を出発。道は整備されています。満天の星。今にもこぼれ落ちてきそう。
気温は、思ったほど低くない。
この時期にしては、むしろ暖かいほうかもしれません。
東の空はかすかに、ほんのかすかにオレンジ色です。
できれば、山頂でご来光を拝みたい。ちょうど、背中の方から日が昇ることになるので、
少し歩いては、振り返って東の空を窺ってしまいます。そうこうしているうちにオレンジの部分が、
かなり広がってきました。「もう少し、ゆっくり寝ていなさい!」と、太陽に叫んだりもしました。
と、「おーっ!」"熊チャン"の歓声です。振り返ると、太陽が徐々にその姿を現しているところでした。
鮮やかなオレンジというより、最初は紫めいたオレンジ。やがて深い茜色へ。そして、段々淡くなっていきます。
そのころにはもう辺りもすっかり明るくなりました。時計を見ると6:50。わずかな時間でしたが、
厳粛な気持ちになりました。太陽に背中を押されながらまた歩き続けます。ところどころに霜柱があります。
踏むと、サクサクと心地よい音を立てました。7:00、山頂着。360°の大パノラマ。好天のおかげで、
明神平方面も曽爾高原方面の山々も、くっきり見えました。
先客は、おひとりだけ。本格的な望遠レンズを装着したカメラを構えておられました。
展望台から西の方角を望むと、この山の三角の影がはっきり見えて面白い。7:30、下山開始。
8:10、駐車場着。ようやく朝ご飯。メニューは、"熊チャン"発案のスープシュウマイ(意外と美味でした)と、パン、コーヒー。
食後、夜露で濡れたテントを風と陽に当てて乾かした後、次なる目的地、局ヶ岳に向かって出発。
12日14:00、局ヶ岳神社の鳥居付近の駐車場出発。舗装された車道をしばらく歩いて14:10、新道の登山口に着きました。
ジグザグの道を行きますが、新しい道だけに土がこなれていない感じがします。人がたくさん踏み固めてきた道とは明らかに違います。
「ズルズルしてるねえ。」「整備されているのに、歩きにくいよね。」などと、口々に文句を言いながら杉林の中を登りました。
15:40、小峠。ここをすぎた辺りから急坂になります。局ヶ岳山頂へ着いたのは16:05。霧で眺望なし。さして広くはないスペースに、
アンテナ?のような看板のような、とにかく興ざめする物体があります。景観を損なっていて、少し残念です。16:10、下山開始。登りはじめから、
小雨が降ったり止んだりの鬱陶しい天気でしたが、登山口近くに着く頃には本格的な降りとなりました。そんな中、獣の鳴き声が! 熊か猪のような黒っぽい影を"熊チャン"は目撃したらしい。夢中で下りていた"猫"は
気配と声のみで、姿は確認できず。そう言えば、昨日の夜、高見山の大峠の駐車場に向かう途中、いたる所で鹿が会合していました。私たち人間は、動物たちにとって招かざる客ですよね。17:05、登山口着。
夜はツツジの里荒滝、泊。みそ仕立てのしし鍋が美味でした。
翌13日、10:15、月出登山口出発。三峰山を目指します。
"熊チャン"は、麓の「月出の里」という集落の名前が綺麗だから気に入っているそうです。
11月の台風の影響か、いたる所道が崩れ、杉の大木が倒れて道をふさいでいました。11:30、新道峠着。シロヤシオの
群生地です。"熊チャン"によると花の咲く頃来ると、それはそれは圧巻だそうです。ついでに言えば、
この山は樹氷が有名な山ですが、"熊チャン"によると雪のある時こそ来るべきだそうです。
今は残念ながら、初冬ではありますがむしろ晩秋の趣の枯れ葉の道です。新道峠を過ぎてからは
わずかな起伏はあるもののほとんどがなだらかな尾根道で、空を仰いでは小鳥のさえずりに耳を澄まして
優雅な散歩を楽しみました。ただ、時折風がもの凄い勢いで木々の間を走り回っていました。
その音は獣の咆吼のようです。やがて、やや水気を含んだ道の上に真新しい獣の足跡発見。
まるで誘導するかのように、私たちの進む方向へ続いています。どこかで
待ってくれてたら楽しいのに…などと空想してみましたが、結局彼が何者であるかはわからずじまい。
山頂手前の三畝峠付近で今日初めて人に出会いました。単独行の男性でした。さすがに平日、人気がありません。
山頂には12:20到着。クロソ方面が鮮やかに見えましたが、風がとても強くあまりの寒さに乾杯もそこそこに切り上げました。12:40、八丁平着。ここでうどんとおにぎりの昼食。
13:20出発。猟をしているのでしょう、銃声が何度も何度も遠くに響きます。
14:20ゆりわれ登山口到着。この登山口は新しい登山口なのでしょうか、
"熊チャン"の年代物の地図(古地図!?)には載っていませんでした。
自動車道を歩いていると高見山の毅然とした姿が遠くに見えました。
14:40、月出登山口の駐車場着。無事を祝ってコーヒーで乾杯しました。
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