早朝に自宅を出発してJR蓬莱駅に到着したのが6時半頃。駅のトイレを拝借し、
薬師ノ滝へ向かう細い林道を進みました。ネットで調べたところ、林道の終点、堰堤の手前まで
車で行けるとの情報を得たのですが、アスファルトがはがれたり凸凹が激しかったりと
道が荒れていたので、大分手前で車を置き、身支度を整えて歩き始めました。
このコースは蓬莱駅から歩く人が大半のようなので、
かなり端折った山行であることは間違いありません。
林道終点の堰堤脇から登山道が始まります。
10分ほどで薬師ノ滝。
【薬師ノ滝】
朝の空気が清々しい。
横を流れる沢の音と鳥のさえずりが聞こえるだけの静かな道です。
沢を何度か渡ります。小さな羽虫がもわーんと動き上がります。
杉の枯れ枝が日に当たって芳しい匂いを発しています。
道端にはニリンソウやミヤマカタバミが、見上げると頭上では木々が芽吹いています。
山との相性ってあると思います。歩き始めてすぐに、ああ、この山好き!
って思わせてくれる山って確かにあります。花々に囲まれて気分が高揚すると
特にそんな思いに駆られます。
いつの間にか水音がしなくなりました。そして荒れた急な坂が続きます。ロープが吊してあるところもあります。
周囲の植物が木々から熊笹に代わり、かき分けながら急勾配を僅かに上ると視界が大きく広がります。
【左:道は大きな石がゴロゴロ 右:熊笹をかき分けて】
【小女郎峠はもうすぐ】
小女郎峠です。琵琶湖が見えます。空が青い。風が心地いい。爽快です。
【小女郎峠】
【峠から琵琶湖を見る】
右手に行くと蓬莱山ですが、せっかくですから小女郎ヶ池に寄ってみます。
琵琶湖を背にまっすぐ進むとすぐに小女郎ヶ池(こじょろがいけ)。名前から推して何か伝説を秘めていそうな…
と思っていたらやはりそうでした。
昔、ふもとの南船路に久右衛門とお孝という夫婦がいました。
ある日お孝は、池のあたりへ薪を取りに来ていると、美しい青年(実は池の主、大蛇の化身)
に会いました。以来、夜になると池に通うようになったお孝の行動に不審を持った久右衛門
が、ある夜あとをつけ、お孝が池に入るのを見て驚きました。気づいたお孝は
お詫びのしるしにと左目をくりとって夫に渡し、「赤ん坊が乳を欲しがったら、
これをしゃぶらせてほしい」と言い残して池に入ってしまいました。孝女郎が入った
池だから孝女郎ヶ池、それがいつしか小女郎ヶ池になったと言われています。<案内板より>
ひぇー、おどろおどろし過ぎー。目玉、渡されても…。赤ん坊に目玉しゃぶらせるってか…。
それはともかく、神秘的で静謐な池です。
【小女郎ヶ池】
【小女郎ヶ池】
再び小女郎峠に戻り、山頂を目指します。
【小女郎峠を振り返る。向うはホッケ山】
ひと登りすると快適な稜線歩きです。右手に琵琶湖が輝いています。
正面に蓬莱山が見えました。
【稜線から蓬莱山】
【稜線から見下ろす琵琶湖】
最後にわずかに登ると山頂です。この辺りはスキー場ですのでリフト乗り場があって、
景観を損ねています。
【左:三角点 右:山頂】
山頂にはゴンドラで登ってきた観光客が何組か。気軽に登れる山なのです。
でも、山頂は広くて気持ちいいです。琵琶湖を見ながらおやつを頂き、コーヒーを淹れ、のんびりとした時間を過ごしました。
【打見山】
【武奈ヶ岳方面】
【比叡山方面】
来た道を戻り、12時半には駐車場所に着きました。早朝の山は気持ちいいと、味を占めた山行でした。
大きな地図で見る
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出典:「電子国土」URL http://cyberjapan.jp/
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では、今回出会った花たちのほんの一部を紹介します。(クリックで拡大)
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キケマン |
タネツケバナ |
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ミノコバイモ |
ミノコバイモ |
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イカリソウ |
ヤマネコノメソウ |
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ニリンソウ |
ヤマエンゴサク |
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スミレサイシン |
キブシ |
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チャルメルソウ |
エンレイソウ |
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アセビ |
ショウジョウバカマ |
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クロモジ |
ミヤマカタバミ |
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ヤマルリソウ |
タニギキョウ |
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